X(旧Twitter)広告とは?
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はじめに
SNSを活用した広告配信は、今やWEBマーケティング戦略に欠かせない要素の一つとなっています。
その中でも、X(旧Twitter)はリアルタイム性と拡散力に優れたプラットフォームとして、多くの企業から注目を集めています。
特に最近では、企業の公式アカウント運用に加え、広告を活用して自社サービスや商品を認知させたいというニーズが高まってきました
しかし、X広告の仕組みは他のSNSと異なる点も多く、「検討しているけれど、どうはじめればよいかわからない」といった声も少なくありません。
本コラムでは、X広告の基礎知識から運用のポイント、そして最新のトレンドまでを分かりやすく解説していきます。
貴社のWEBマーケティング施策の参考となるよう、実践的な視点から情報をお届けいたします。
もくじ
X広告の基本と仕組み:ほかのSNS広告と何が違うのか?
X広告とは?
X広告は、X(旧Twitter)というSNSプラットフォーム上で展開される広告サービスで、ユーザーのタイムラインや検索結果、プロフィールなどに広告を表示できます。
1投稿(ポスト)単位で広告を配信できるため、短文で訴求力のあるメッセージを届けたい場合に非常に効果的です。
また、Xはリアルタイム性が高く、最新の話題やトレンドがすぐに拡散される特性があります。
これにより、「いま」注目されているテーマやニュースに乗せて広告展開できるのが大きな魅力です。
配信形式の種類
1. プロモ広告(Promoted Ads)
特徴
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通常のポスト(投稿)と見た目は同じで、タイムラインや検索結果などに表示されます。
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「プロモーション」ラベルが付くことで広告であることがわかります。
活用目的
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商品やサービスの認知拡大
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WEBサイトへのトラフィック誘導
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アプリのインストール促進
バリエーション
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テキストのみ
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画像付き(1枚画像 or カルーセル画像)
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動画付き
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リンク付き(外部WEBサイトに誘導)
📌 活用例
新商品のローンチ告知にあたり、視覚的に魅力のある商品画像+「今すぐチェック」リンクでの誘導。
2. フォロワー広告(Follower Ads)
特徴
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貴社アカウントのプロフィール欄に「フォローをおすすめする形」で表示されます。
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タイムライン、検索結果、ユーザープロフィールなどに表示されます。
活用目的
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アカウントのフォロワーを増やし、オーガニック配信(通常投稿)のリーチを拡大
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継続的なブランド接触・関係構築
📌 活用例
キャンペーンと並行してアカウントの存在を広めたいときや、X運用をはじめたばかりの企業に効果的です。
3. トレンドテイクオーバー(Trend Takeover)
特徴
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Xの「トレンド」欄(日本のユーザーであれば“話題のトピック”)の上部に、広告主が指定したハッシュタグを表示できます。
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「Trend Takeover+(動画付き)」という上位プランもあり、よりリッチな広告展開が可能。
活用目的
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話題性のあるプロモーションを一気に拡散したいとき
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キャンペーンや新製品の“初動”を重視したいとき
📌 活用例
大手飲料メーカーが新商品の発売日に「#〇〇新登場」でトレンド上位を狙い、同時にプロモ広告を連携配信。
4. ダイナミック商品広告(Dynamic Product Ads)※一部業界向け
特徴
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ユーザーの行動データ(WEBサイト訪問・閲覧履歴など)をもとに、関連性の高い商品を動的に表示する広告。
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EC事業者や小売業などに有効。
活用目的
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リターゲティング(再訪問促進)
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購買意欲の高い層への最適化配信
📌 活用例
オンラインストア訪問者に対し、閲覧済み商品や関連アイテムをX上でリマインド表示。
5. アプリインストール広告(App Install Ads)
特徴
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モバイルユーザーを対象に、App StoreやGoogle Playへのリンクを直接設置可能。
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広告内で「今すぐダウンロード」などのCTAを明示できます。
活用目的
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スマートフォン向けアプリのインストール促進
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ユーザー獲得単価(CPI)の最適化
📌 活用例
ゲームアプリやフィンテック系アプリの初期ユーザー獲得施策。
✅ 目的別フォーマット早見表
広告タイプ | 目的 | おすすめ企業の例 |
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プロモ広告 | 認知拡大・WEBサイト誘導 | 製造業、小売業、サービス業など |
フォロワー広告 | アカウント成長・ブランド強化 | 立ち上げ期の企業、D2Cブランドなど |
トレンドテイクオーバー | 話題化・一斉告知 | 大手企業、キャンペーン特化型施策など |
ダイナミック商品広告 | 購買促進・再訪問 | ECサイト、通販、D2Cブランド |
アプリインストール広告 | アプリのインストール獲得 | スタートアップ、ゲーム会社など |
課金方式と予算設計
X広告は主に「オークション形式」で広告枠を競い合う仕組みとなっています。
以下のような課金モデルがあり、目的に応じて柔軟に設定できます。
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CPC(クリック課金):リンククリックに応じて課金される
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CPM(インプレッション課金):表示回数に応じて課金される
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CPF(フォロワー獲得課金):フォロワーが増えた分だけ課金される
広告出稿の最低金額はなく、少額からはじめることも可能です。
広告の目的(例えば「WEBサイトへの誘導」や「動画再生数の増加」など)に応じて適切な課金方式を選ぶことが重要です。
他SNSとの違い
X広告と他のSNS広告(Meta、Instagram、LINEなど)との大きな違いは、「スピード」と「拡散性」にあります。
Meta広告がセグメントごとの深い興味関心に訴える広告である一方、X広告は「いま話題になっていること」に乗じた広告展開が得意です。つまり、速報性やバズ(話題化)を狙ったプロモーションに適しています。
また、Xでは匿名ユーザーも多く、BtoC領域に限らずBtoBの情報発信でも思わぬ反応が得られることがあります。
さらに、ポストへのリアクションが見えるため、広告の反応を感触として早期に捉えることができます。
X広告はこんな場合に向いている
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商品やキャンペーンをタイムリーに告知したいとき
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限られた予算で広く認知を獲得したいとき
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炎上リスクを管理できる運用体制が整っている企業
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SNSを活用したブランドイメージ強化を図りたいとき
成果を出す広告運用のコツ:ターゲティングとクリエイティブ戦略
X広告で成果を出すには、単に広告を出稿するだけでは不十分です。重要なのは、「誰に、何を、どう伝えるか」という広告戦略そのものです。
この章では、X広告で効果を最大限に引き出すための運用のコツを、ターゲティング設定とクリエイティブ(広告内容)の2つの軸から詳しく解説します。
ターゲティングの考え方:X広告ならではの柔軟性
X広告では、以下のような多様なターゲティングオプションを設定できます。
主なターゲティング項目
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キーワードターゲティング
特定のキーワードやハッシュタグを使用した投稿を見ている・投稿しているユーザーを対象に広告を配信できます。
タイムリーな話題に連動した施策に効果的です。 -
フォロワーターゲティング
競合他社や関連業界のアカウントのフォロワーを狙うことで、興味関心が近い層にアプローチできます。 -
デモグラフィックターゲティング
年齢、性別、言語、地域などの基本情報に基づいた設定が可能です。 -
デバイス・OS・キャリアターゲティング
スマートフォン、PC、iOS、Androidなど、閲覧環境に合わせた細かな指定ができます。
活用のポイント
ターゲティングは「絞りすぎない」ことが大切です。
特にXは拡散性が高いため、初動では少し広めの設定でテスト配信をおこない、その後、反応データを元に最適化していくのが効果的です。
ABテスト(複数パターンの広告配信)も併用しながら、費用対効果を高めていきましょう。
クリエイティブ戦略:短く、強く、記憶に残るコピーを
Xでは「文字数の制限(最大280文字)」があるため、情報を簡潔かつインパクトのある表現で伝える必要があります。
特にユーザーはスクロール中に広告を見ているため、「一瞬で目を引く」ことが重要です。
効果的な広告クリエイティブの要素
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冒頭の一言にこだわる
最初の1~2行で惹きつけることがカギです。疑問形や数字、メリットを盛り込むとクリック率が上がる傾向にあります。 -
画像や動画を活用する
画像付き広告は視認性が高く、動画は訴求力が強いため、文字だけの広告よりも成果が出やすいです。スマホでの閲覧を意識し、縦長サイズや字幕付き動画も有効です。 -
CTA(行動喚起)を明確に
「詳細はこちら」「今すぐチェック」「無料で試す」など、ユーザーに次の行動を促すフレーズを必ず入れましょう。
実例:X広告で成功しやすいパターン
目的 | 成功クリエイティブ例 |
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商品の新発売告知 | 「本日発売開始🎉 数量限定・先着順!詳しくはこちら」 |
資料請求促進 | 「無料ダウンロードできます【全20Pの成功事例集】」 |
イベント告知 | 「6/30まで申込受付中▶参加無料ウェビナー開催!」 |
運用体制の整備:投稿と広告の役割分担を明確に
広告配信とあわせて、アカウントの通常投稿(オーガニック運用)も重要です。
広告が接触したあと、プロフィールや投稿内容から企業の信頼性を判断するユーザーが多いため、投稿の質や一貫性が成果に直結します。
そのためには、以下のような運用体制の整備が不可欠です。
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広告用クリエイティブと通常投稿の役割を分けて設計
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月次・週次でレポート分析をおこない、PDCAを回す体制づくり
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フォロワーや広告反応へのリプライ対応方針を事前に決定
ターゲティング精度とクリエイティブの質を高めることで、X広告の効果は飛躍的に向上します。
次章では、実際の成功事例と2025年の最新トレンドをご紹介いたします。
活用傾向と成功パターン:いま注目されているX広告の使い方
X(旧Twitter)広告は、拡散力とリアルタイム性を活かして、業種や目的を問わず幅広く活用されています。
この章では、現在の広告活用の傾向と、成果を出している企業に共通するパターン、さらに2025年時点で注目されている広告運用のトレンドについてご紹介します。
BtoC企業の活用傾向:話題づくりとキャンペーン連動が鍵
消費者向けビジネス(BtoC)においては、X広告の拡散力を活かした「話題づくり」を重視した使い方が多く見られます。
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新商品や期間限定商品の発売告知
商品の発売タイミングに合わせて、プロモ広告を配信。人気のインフルエンサーに先行体験してもらうなど、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を誘発する流れをつくるのが一般的です。 -
フォロー&リポストキャンペーンとの連動
Xの「フォロー+リポストで応募完了」という手軽なキャンペーン設計は、多くの企業で定番化しています。
キャンペーンと広告を組み合わせることで、広告経由の認知拡大+アカウントのフォロワー増加を同時に実現できます。
BtoB企業の活用傾向:認知獲得からリード創出までの導線設計
法人向けサービスを提供する企業(BtoB)では、X広告を「見込み顧客との初回接点づくり」として活用するケースが増えています。
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ホワイトペーパーや資料ダウンロード誘導
無料レポートや事例集など、価値のあるコンテンツへの導線をX広告に設定することで、ターゲットユーザーの関心を惹き、リード獲得につなげます。 -
イベントやウェビナー集客
特定業界のキーワードやフォロワーをターゲットにして、イベント告知広告を展開。X内で認知を広げ、LPやフォームへ誘導する施策が定番化しています。
BtoB領域では、「派手さ」よりも「信頼感」や「専門性」が広告文やクリエイティブに求められるため、表現の工夫が重要です。
成功広告に共通する5つのパターン
さまざまな成功事例に共通する要素として、以下のようなパターンが見られます。
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目的が明確に定まっている
「認知獲得」「リード創出」「WEBサイトへの誘導」など、ゴールを明確にしている広告は成果が出やすい傾向にあります。 -
クリエイティブがシンプルかつ魅力的
短文でも魅力が伝わるコピー、目を引く画像や動画を使って、数秒で興味を引きます。 -
ユーザー参加型の設計がされている
ハッシュタグやリポストを促す設計により、自然な拡散が起こりやすくなります。 -
LP(ランディングページ)と広告が一貫している
広告の内容と遷移先のページが一致していることで、離脱率を低下させ、コンバージョン率を高めています。 -
PDCAを継続的に回している
配信後のデータ分析と改善を繰り返すことで、より効果的な広告運用につながっています。
2025年の注目トレンド
① AIによる自動最適化配信
X広告もAI技術の進化によって、配信の最適化が進んでいます。複数の広告パターンを用意しておくことで、AIが反応の良いものを自動で選択し、配信ボリュームを調整する「マルチバリエーション最適化」は今やスタンダードです。
② 有料会員(Xプレミアム)向け広告
Xプレミアム利用者向けのセグメントに特化した広告配信が可能となり、リテラシーの高い層や特定の興味を持ったユーザーへのアプローチがより正確にできるようになっています。
③ クロスチャネル戦略との融合
X広告単体ではなく、Google広告、YouTube、LINE広告などと組み合わせた「クロスチャネル施策」が主流に。
Xで話題を生み、他媒体で詳細情報を届ける導線づくりが有効です。
まとめ:自社に合った使い方を見つけることが成功の第一歩
X広告は、どの業種でも活用できる汎用性の高い広告媒体ですが、成功のカギは「自社の目的と適した手法をマッチさせること」にあります。
自社のサービスやターゲットに合ったアプローチを見極め、広告を継続的に最適化していくことで、X広告の持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。