「AIで終わる人・化ける人」に学ぶ6つの思考法|中小企業のAI活用

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監修:フロンティアマーケティングチーム(名古屋で中小企業のホームページ制作・AI導入を支援)

もくじ

この記事の結論(3行)

  • 1. AIのテクニックはすぐ古くなる。磨くのは「思考法」です。
  • 2. 生み出すのはAI、選ぶ目と違和感は人が持ちます。
  • 3. 打席を増やし、最後はお客様の一次情報で確かめます。

音声で聞く「AIで化ける人の6つの思考法」(クリックで再生)

はじめに:AIを入れて、経営は良くなりましたか?

AIの道具は入れたものの、会社の数字や仕事の進め方は思ったほど変わっていない。そう感じている経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2026年10月25日に公開されたPIVOTの対談「AIで終わる人・化ける人」で、株式会社ガラパゴス代表の中平健太さんは、AIを入れた会社は増えたが、経営が良くなったかは別の話だと語ります。差を生むのはツールの使い方ではなく、人の「思考法」をアップデートできるかどうかだというのです。

この記事では、対談の「6つの思考の切り替え」を、「動画で語られたこと」と「中小企業の現場で明日からどう使うか」に分けて整理し、フロンティアの実践も添えました。

チームでノートパソコンと資料を囲み、AI時代の考え方を話し合う様子

なぜAIのテクニックより「思考法」が大事なのか?

AIの研究開発に長く携わってきた中平さんが、プロンプト集(AIへの頼み方の例文集)ではなく考え方の本を書いた理由は、「テクニックはすぐ古くなる」からでした。

中でも印象的なのが「寝ていても勝手に進化するものに、手をつけるな」という言葉です。AIそのものは、大手の会社が進化させていきます。一方で、人の思考法は、寝ていても進化しません。 だから、変わり続けることを前提に、頭の使い方を切り替える必要がある。これが対談の前提でした。

AIで化ける人の6つの思考法とは?「これまで→これから」一覧

書籍では20の思考の切り替えが紹介されており、対談の前半ではそのうち6つが語られました。表にまとめます。

これまで これから ひとことで言うと
1 自脳思考 他脳思考 AIに考えさせ、人は選ぶ
2 自己肯定思考 自己否定思考 自分は永遠のベータ版
3 直感思考 違和感思考 言葉にならない違和感を信じる
4 打率思考 打席数思考 案をたくさん出して選ぶ
5 成功思考 失敗思考 外れても学びが残る
6 検索思考 検証思考 一次情報を取りに行く

▶ ポイント

6つに共通するのは、「つくる」はAIに任せ、「選ぶ・感じる・確かめる」を人が持つという役割の分け方です。

思考1 自脳思考から他脳思考へ:AIに丸投げして、選ぶ力を残すには?

動画では人の脳みそを借りるように、AIの脳を借りる

他脳思考とは、自分の頭だけで考えず、AIという「他人の脳」にまず考えさせる頭の使い方です。中平さんは、細かい条件を付けずに「経営のダッシュボード(数字をひと目で見られる画面)を作って」とまず丸投げし、出てきたものを見て自分の考えを動かすやり方を紹介していました。

ただし、全部を任せるわけではありません。生み出すのはAIでよくても、正しそうなもの・美しいものを選ぶ力=審美眼は、自分に残しておく。そして、センスとは「真剣な試行錯誤の回数」だと言います。

現場では「つくる」と「決める」を分ける

フロンティアでは、作業の9割をAIに任せ、人は指示出しと最終チェックの1割を担うことを目指して、仕組みづくりを進めています。そして、お客様とのやりとりと、最初と最後の判断はAIに任せないと決めています。

動画でも課題とされたのが若手の育て方です。AIが答えを出すぶん、試行錯誤の回数が減りがちです。「なぜこの案を選んだのか」を言葉で説明してもらうだけでも、選ぶ目は育っていきます。

思考2 自己否定思考:なぜ「永遠のベータ版」がAI時代に強いのか?

動画では「今の自分で十分」と思うと、成長は止まりやすい

ベータ版とは、完成前の「試しの版」のことです。中平さんは、自分は永遠にベータ版だと考えて、改善し続ける姿勢が大事だと話していました。「今の自分で十分」と思うと、成長も変化も止まりやすくなるからです。

年齢や立場が上がるほど指摘されなくなるからこそ、悔しい思いをする環境に、あえて身を置くことをすすめていました。

現場では経営者こそ、指摘をもらえる場を持つ

私たちフロンティアのチームも、外部の学びの場に毎月レポートを出し、講師や仲間から遠慮のない意見をもらうようにしています。AIに「この計画の弱点を3つ挙げて」と頼むのも、手軽な練習になります。

思考3 違和感思考:AIが持たない「場の空気」をどう生かす?

動画では直感はよく外れる。でも違和感は外れにくい

中平さんは、採用面接の経験を話していました。「この人はいい」という直感は、よく間違える。けれど「何か引っかかる」という違和感は、間違えたことがないそうです。違和感を無視して採用すると、後で表に出てくる。だから勇気を持って見送るのだと言います。

ChatGPTなどのもとになる大規模言語モデル(LLM)は、その名のとおり「言語」のモデルです。言葉にならない空気や、その場の感覚は持っていません。違和感を感じ取れることは、人に残る大きな価値です。

現場では違和感を「なぜ?」の問いに変える

商談や採用で違和感を覚えたら、そのままにせず「どこが引っかかったのか」を一行メモに残しましょう。面談では、経歴の立派さより「なぜその選択をしたのか」を聞いてみましょう。その答えへの小さな引っかかりが、判断の材料になります。

思考4 打席数思考:20点を80点に直す時代から、案を選ぶ時代へ

ノートパソコンの横でメモを取りながら、たくさんの案を比べて考える様子

動画では打席に立つコストが下がった

打席数思考とは、1回で当てる「打率」より、挑戦する「回数」を増やすことを大事にする考え方です。AIによって、案を「数」作るコストが大きく下がりました。昔は上司に20点の資料を見せて80点まで直す訓練をしていましたが、今は案をいくつも作り、審美眼で選んでから見せられます。

打席が増えれば試行錯誤の回数も増え、結果を振り返って改善すれば、案の質を高めることにつながります。自然には増えないので、意識して日々の仕事の手順に組み込むことが大切だと話していました。

現場では「1案で出す」をやめ、「3案から選ぶ」を決まりにする

私たちのチームでも、目標づくりでは「案は多めに出し、その中から選ぶ」ことを大切にしています。会議資料やチラシの文案は、まずAIに3案出してもらうことを社内の決まりにしてみてください。業種ごとの使い方の例は、企業はこう使う!ChatGPTの導入事例と業界別活用アイデアも参考になります。

思考5 失敗思考:うまくいかなくても「Aではない」が残る

動画では早く失敗して、早く成長する

中平さんの会社は「Fail & Grow(早く失敗し、早く成長する)」を価値観に掲げているそうです。仮説を立てて実行すれば、うまくいけば成功。外れても「Aではなかった」という知識が残る。

失敗をためらうのは、恥ずかしさと、人事評価で失敗が評価されないから。だから会社として「失敗しなさい」と掲げ、理科の実験のように、うまくいかなかった結果もデータとして残すことが大事だと話していました。

現場では外れた結果を、次のルールに書き足す

私たちにも外れた経験があります。2026年11月、AIと書いた自社コラムの最初の下書きを、自社で決めた18項目の点検表で採点しました。

最初の下書き(SEO)

38点

最初の下書き(AIO)

76点

直した後(SEO・AIO)

100点

※自社の点検表(18項目)による評価で、各100点満点です。検索順位やAIへの引用の実績を示す数字ではありません。

SEO(検索で見つけてもらう工夫)は38点、AIO(AIの答えに引用してもらう工夫)は76点でした。足りない点を直し、同じ抜けが出ないよう次からの指示とルールに書き足しました。外れた結果こそが、次の基準を育てる材料になりました。

思考6 検索から検証へ:AI活用で一次情報の価値が上がるのはなぜ?

明るいオフィスで、お客様から聞いた話をもとに話し合うチーム

動画ではAIは、世の中のすべてを学んでいるわけではない

検証思考とは、AIの答えをうのみにせず、自分で一次情報(自分で見聞きした、加工されていない情報)を取りに行って確かめる頭の使い方です。AIは世の中のすべてを学んでいるわけではなく、AIが知らない情報は無数にあります。たとえば、お客様になるかもしれない1人から直接聞いた本音は、AIには引き出せません。だから、AIが広がるほど、一次情報を取りに行って確かめる価値は高まるのです。

対談では「本を読んで、人に会って、旅に出よ」という言葉も紹介されていました。人は見ているものを認識するのではなく、認識しているものを見ている。だから外に出て認識の幅を広げよう、という意味です。AIの答えの正しさについては、ChatGPTは本当に正しい?信頼性とリスクをわかりやすく解説でも詳しく解説しています。

現場ではAIで調べた後に、お客様1人に聞きに行く

正直に言うと、ここは私たちも伸ばしている途中です。提案の根拠をデータで整理してきた一方で、お客様の実際の数字や現場の声をいただく意識は、これまで弱かったと振り返っています。AIで市場を調べた後、最後はお客様に直接聞いて確かめる。この順番を、いま社内で根付かせているところです。

AIに任せる仕事、人が担う仕事はどう分ける?

対談の終わりの予告では、くり返しの業務をAIに任せたら、2週間ほどで自分と同じような判断をするようになった、という話も出ていました。同じ手順がくり返される「ループする業務」は、AIの格好の題材です。そして人は、データにできないことに時間を使うべきだ、と。

フロンティアでも、毎日くり返す定例の作業はAIに任せ、24時間動かせる専用のパソコンで回しています。目的は、チームがお客様と向き合う時間を増やすことです。人が担うのは、6つの思考で見てきた「選ぶ・感じる・確かめる」の部分です。

すぐ使える:AI時代の思考法チェックリスト

  • 考え始める前に、まずAIに丸投げで案を出してもらっているか
  • 「なぜこの案を選んだか」を言葉で説明できるか
  • 率直な指摘をもらえる場を、定期的に持っているか
  • 違和感を覚えたとき、その理由をメモに残しているか
  • 資料や企画は、1案ではなく複数の案から選んでいるか
  • うまくいかなかった結果も、次の指示やルールに書き足しているか
  • AIで調べた後、お客様に直接聞いて確かめているか

よくある質問:AIで化ける人の思考法

Q

AIに丸投げすると、考える力が落ちませんか?

A

丸投げするのは「案を生み出す」部分です。どの案が良いかを選び、理由を言葉にする部分は人が担います。その習慣が、選ぶ目(審美眼)を育てます。

Q

6つの思考法のうち、どれから始めればいいですか?

A

手を付けやすいのは「打席数思考」です。毎週ある仕事を1つ選び、AIに3案出してもらって選ぶところから始めてみてください。

Q

検索思考と検証思考は、何が違うのですか?

A

検索思考は、どこかにある正解を探して使う考え方です。検証思考は、AIの答えを仮の答えとして受け取り、お客様の声など自分で取りに行った一次情報で確かめる考え方です。

まとめ

この記事のポイント

  • ✓AIは寝ていても進化する。人は思考法を意識して変える
  • ✓案はAIにたくさん出してもらい、選ぶ目と違和感は人が持つ
  • ✓外れた結果も残し、最後はお客様の一次情報で確かめる

▶ AIと人の役割分担、自社ではどう決めればいい?

フロンティアでは、名古屋を中心に、中小企業のホームページ制作とAI導入を支援しています。「どの仕事をAIに任せ、どこを人が判断すればいいか整理したい」「社員がAIで案を出して選ぶ習慣をつくりたい」という方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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※参考:PIVOT 公式YouTubeチャンネル「AIで終わる人・化ける人」(2026年10月25日公開、ゲスト:株式会社ガラパゴス代表 中平健太氏)の前半(約30分)。書籍:中平健太『AIで終わる人 AIで化ける人「AIが当たり前」の時代を生き抜く20の思考変革』(ダイヤモンド社)。対談の内容は、私たちの言葉で要約しています。SEO・AIOの点数は、株式会社フロンティアのコラム管理の点検表(18項目、2026年11月3日時点)で、自社コラム「AI検索時代もSEOは必要?コラム115本でわかった「残酷な事実」」の下書きを採点したものです(直した後は写真の説明文・アイキャッチを含む)。