AI検索時代のSEO 2025:結局、何がどう変わったのか
- SEO
はじめに:検索は「まず要約(AI解説)」を見る時代に
AI要約が先に表示される今、SEOは“順位”より“要約に載る”が重要に。
本記事では、要約時代に成果を出す設計と、EC・企業サイトの実践策を解説します。
もくじ
この記事で分かること まとめ:小さく直して、あとは仕組みで伸ばす
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いまの検索は「まず要約(AI解説)」になりました。このままでは、“上に出る”だけでは不十分です。
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今後の対策ポイントは要約に選ばれる内容と、開いてすぐ決められる設計(要点表・FAQ・CTA)が重要になってきます。
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ECは商品ページの冒頭と鮮度(価格・在庫・レビューの自動更新)や、企業サイトは1画面で「価値」→「証拠」→「次の一歩」が効きます。
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成果は、要約掲載率→指名検索→CVR/商談で追う。数字は「+5〜15%台」の改善がまず目標数値として頑張りましょう。
今日からできるAI要約(AI解説)対策3つの指針
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冒頭3〜5行の結論枠を全ページに
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**質問形の見出し(FAQ)**を追加
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CTAをファーストビューに(EC:サイズ表/返品/カート、企業:資料DL/相談)
実際になにが起きるのか(現場で感じる変化)
クリックが少し減ることがある
「要約(AI解説)」で疑問が解けると、わざわざサイトを開かない人が出てきます。
ただし、要約に「根拠として載る」と、社名や商品名で探す指名検索が増えたり、後日ブックマークから再訪されたりします。
→ 「量の流入」から「質の接点」へ、重心が移るイメージです。
“上位の検索に出る”だけでは足りない
従来の順位(何位に出るか)は依然大事ですが、今後は同じくらい大事なのが要約(AI解説)に選ばれることです。
要約(AI解説)は、結論から理由、そのあとに具体例の形で、「更新日」や「出典」がはっきりしている情報を好みます。
開いた直後の“わかりやすさ”が勝敗を分ける
せっかくクリックしてくれた人を迷わせないことが重要になります。
ページの「最初の1画面(ファーストビュー)で、「何が得られるのか」「次に何をすればいいか」が伝わると、離脱が減り、行動(購入・資料DL・相談予約)につながります。
何がどう変わったのか:上位表示だけでは足りない
これまでのSEOは「検索順位を上げる」が中心でした。
いまは、もう順位だけでは足りません。
その理由はシンプルで、ユーザーが最初に見るのが“AIの要約”(AIの解説)になったからです。
これからの立ち回りとしては要約(AI解説)に参考リンクに挙がる(根拠として載る)、AIに見つけてもらうことが、
新しい“目立ち方”になっています。
新しい可視性=「被参照(AI解説に載る)」とは
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被参照(ひさんしょう)とは?:AIの要約や検索結果のまとめ部分で、あなたのページが根拠として選ばれること。
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被参照されると、要約(AI解説)を見た人が後から社名や商品名で検索してくれたり、ブックマークして戻ってきたりします。
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つまり、「今すぐのクリック」が少なくても、「後からの指名・相談」が増える——質の高い接点が作られる、という変化です。
要約に選ばれやすい“情報の形” 3つのポイント
AIは、人が読みやすいだけでなく、機械にも伝わりやすい形を好みます。
結論→理由→具体例の順
冒頭で「結論」を言い切り、なぜそう言えるのか(データ・比較・実測)を示し、最後に例や手順を添えます。
Q&A(質問と答え)
見出しを「◯◯は?」「どうやる?」の形にすると、要約にそのまま引用されても意味が通ります。
更新日・出典・著者
いつの情報か、誰が書いたのか、どこを根拠にしているのか。信頼が見えるほど選ばれやすくなります。
信頼の見せ方が具体的になった(E-E-A-Tを「証拠」で示す)
E-E-A-Tは「経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trust)」の頭文字です。
むずかしく聞こえますが、要するに「口(文章)だけじゃなく“証拠(経験・専門性・権威性・信頼性)を見せる”」ということです。
AIの要約も、人の読者も、確かさを好みます。
なぜ“いま”E-E-A-Tが効くのか
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AIの要約は、出典がはっきりしている情報を選びやすい
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読者も“早く確かめたい”ので、実測データ・写真・監修者名があるページを信じやすい
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結果として、要約に載る確率もCVR(成果率)も上がりやすくなります
何を出せばいい?(基本の3点セット)
一次情報(あなた自身の体験・実測)
例:試した手順、使ってみた感想、数値(計測値・アンケート結果)
第三者の確認(専門家の監修・レビュー)
例:薬剤師がチェック、税理士が確認、プロのテスターが再現
更新の履歴(いつ直したか)
例:「2025/10/06:最新モデルを追記」「返品条件を変更」など
この3点がページの冒頭近くで見えると、要約にも読者にも伝わりやすくなります。
構造化データ=要約の材料を渡す「土台」
構造化データは、ページの内容を機械(検索やAI)にも分かる形で伝える「タグ」です。
人間には見えませんが、ページの裏側に「これは商品です」「これはQ&Aです」と名札を付けるイメージです。
名札があると、AIの要約に材料として拾われやすくなります。
まずは“これだけ”の優先順位
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全サイト共通
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Organization(会社情報)
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Breadcrumb(パンくず)
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Article(記事/お知らせ)
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FAQ(よくある質問)
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ECサイト
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Product(商品)
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Review / AggregateRating(レビュー・平均評価)
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Offer(価格・在庫・配送)
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企業サイト(B2Bも)
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Service(サービス)
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HowTo(手順・導入の流れ)
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JobPosting(採用)
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Event(ウェビナー/展示会)
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Person(監修者・専門家プロフィール)※必要に応じて
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迷ったら「このページは何のページ?」と聞かれたときに一言で言える型から付けるのがコツです。
どんな効果があるの?
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AIがページの種類と重要な項目(価格・在庫・更新日・Q&Aなど)を理解しやすくなる
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要約で引用される可能性が上がる
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検索結果にリッチな表示(価格・在庫・評価・FAQの見出し)が出ることがある
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情報が最新に保たれていると分かる(特に価格・在庫・更新日)
すぐできる“簡単実装”の考え方
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ページの型を決める(Product/Service/Article/FAQ/HowTo など)
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最低限の項目を埋める(名前、説明、画像、価格や在庫、更新日、著者など)
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更新を自動化(価格・在庫・レビュー数は手作業にしない)
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目につく場所に実情報を出す(裏側のタグだけでなく、表側にも同じ内容を載せる)
クリックは減っても成果は伸ばせる(ゼロクリック時代の設計)
AIの要約で疑問が先に解けるため、検索結果からのクリックは以前より減ることがあります。
でも大丈夫です。「開いたあとの体験」と「開かなくても覚えてもらう工夫」を整えると、売上・問い合わせ・採用はむしろ伸びます。
1.まずは「開いた直後の1画面」を作り込む
ユーザーが最初に見る**1画面(ファーストビュー)**で「何が得られるか」「次に何をすれば良いか」を示します。
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結論ファースト:誰向け/主なメリット/注意点を3行で
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要点ボックス:比較表・サイズ早見・価格レンジ・導入期間など、決め手になる情報を小さな表で
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明確な次アクション(CTA):
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EC:カート/サイズ表/返品条件
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企業:資料DL/相談予約/採用エントリー
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コツ:CTAは1つに絞らず、主要な“次の一歩”を横並びで3つまで置くと選びやすいです。
2. タイトルと説明文を“引用されても意味が通る”形に
要約にそのまま引用されても違和感がないよう、短い要点で書きます。
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タイトル:ベネフィット+対象を明確に
例「幅広でも疲れにくい通勤用スニーカー|雨の日OK」 -
ディスクリプション(説明):結論→主要条件→安心材料
例「毎日歩く人向け。滑りにくいソールと防水素材。30日返品OK、サイズ交換無料。」
これで、要約で見かけた人にも内容が伝わり、後日の指名検索や直接流入につながります。
3. “要約だけで終わった人”にも思い出してもらう
クリックしなかった人に後から思い出してもらう仕掛けを用意します。
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覚えやすいフレーズ(タグライン)を作る
例:「雨の日の通勤は、この一足で。」 -
視覚の記憶:商品やサービスを一枚で表すキービジュアル
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指名しやすい名前:型番やサービス名は短く、読みやすく
PRやSNSと合わせて、要約で見た人が**“あ、あれだ”**と検索しやすくなります。
4. 長い滞在=良い、ではなく「早く決められる」が良い
ゼロクリック時代は、滞在時間の長さよりも意思決定までの速さが大切。
ページを短くするのではなく、決め手の情報を前に寄せる発想です。
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良いサイン:短い滞在でもスクロールが深い、CTAのクリックが増える、再訪が増える
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悪いサイン:同じページを行き来、検索に戻る、FAQが見つからず離脱
ECサイトへの影響と対策(やることリスト)
AIの要約で「おすすめ」「選び方」「比較」の答えが先に示されるようになりました。
その結果、カテゴリやまとめ記事で満足して商品詳細に来ないケースが増えます。
その代わりに、「商品ページの冒頭設計」と「鮮度」を整えれば、購入率(CVR)や客単価(AOV)は十分に伸ばせます。
起きていること(影響)
比較・おすすめで完結しやすい
→ 商品詳細へのクリックが減る。
価格・在庫・レビューの“鮮度”が勝敗に直結
→ 古いレビューや在庫切れ表示は即離脱につながる。
“誰に合うか”が決め手
→ スペック列挙より、「どんな人に、どんな用途で、何が良いか」が最初に欲しい。
すぐに効く!今からできる対策
1. 商品ページは結論ファースト
写真直下に、3行で「向いている人」「主なメリット」「注意点」。
ミニテンプレ
【この商品の結論】
・向いている人:通勤で毎日歩く/幅広/雨の日でも滑りにくい靴が欲しい
・主なメリット:軽量・防滑・防水(晴雨兼用)
・注意点:甲が低い方はハーフサイズ下げ推奨
最終更新:2025/10/06 執筆:自社スタッフ
2. “要点表”で迷いを3秒で解消
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サイズ感(実測の声)/重さ/素材/お手入れ
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比較表:この商品 vs 代替(○△×の3指標でOK)
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返品・配送条件は折りたたみ前に
3. レビューの“質”を上げるフォーム設計
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入力項目:用途(通勤・旅行)/体格・足幅/着用サイズ/写真
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並び替え:用途・体格でフィルタ
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信頼マーク:購入者バッジ/NGワード・重複の自動検知
4. カテゴリページは“選び方3か条+ミニ比較”
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上部で「選び方の基準」を3つに絞る(例:軽さ・防水・価格)
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代表3製品を○△×で並べ、用途に合う1点を提案
5. 価格・在庫・レビューは自動で最新化
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在庫管理/レビュー基盤とフィード連携
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売り切れ時は代替商品の自動提案を上位に
6. 商品Q&A(FAQ)は質問形の見出しで
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「雨の日は滑りませんか?」「サイズ交換は無料ですか?」
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短い答え→詳しい説明の順。FAQを**構造化データ(FAQPage)**でもマーク。
7. CTA(次の一歩)は“横並び”で3つまで
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カート|サイズ表|返品条件
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表現は動詞+ベネフィット(例:「サイズを確認する」「30日返品OKを確認」)
写真・動画のポイント(一次情報=経験(Experience)・専門性(Expertise)の強化)
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使用シーン(雨の路面、駅の階段など)を1枚
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サイズ感はスタッフ比較(身長・足幅・着用サイズ)
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15秒動画:履き心地や靴底の柔らかさは短尺で十分
検索以外とのつながり(思い出してもらう仕掛け)
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商品タグライン:「雨の日の通勤は、この一足で。」のように覚えやすく
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キービジュアル:要約で見た人が視覚で想起できる1枚を各カテゴリに
よくあるつまずき&回避策
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スペックだらけで「誰にとってメリットがあるのか」がない
→ 冒頭3行の結論枠を必ず作る。 -
レビューが古い/偏っている
→ 新着レビューを用途タグで集める施策(購入後メール、写真でポイント付与)。 -
在庫切れページから離脱
→ 「近い条件の代替」自動レコメンドを上に。 -
返品・サイズ交換の条件が見つからない
→ CTAの隣に常設、文言は“安心が伝わる”書き方に(例:「30日以内は無料で交換できます」)。
最後に
検索は「まず要約」を見る時代になりました。
だからこそ、要約に選ばれる内容と、開いてすぐ決められる設計に変えるだけで、結果は動きます。
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今日できる3つ:冒頭3〜5行の結論/質問形の見出し/CTAを上に
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ECは価格・在庫・レビューの鮮度、企業サイトは1画面で価値→証拠→次の一歩
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成果は要約掲載率→指名検索→CVR/商談で確認
「どこから直せばいい?」という方は、上位10ページから始めましょう。
テンプレや計測のセットアップなど、設計〜実装〜運用までお困りがございましたら、私たちが支援します。お気軽にご相談ください。